運命の出会い@ラムズゲイト

大学時代~卒業後のお話。

中学から始めたテニスを大学でも続け、
友達には「ゆみこは文学部じゃなくてテニス部っていう学部よね!?」と言われるほど
テニスコートにばかり居ました。

テニス三昧で、大学時代はほとんど遊んでばかりだった私。
大学卒業が近くなって、生まれて初めて自分の未来について真剣に考えました。

「私は一生続けられる仕事をしたい。
若い時だけでなく、年をとるにつれ実力がつき面白くなっていくような仕事がいい。」
そして下記の選択肢が残りました。

①インテリアデザイナー
②料理
①ならアメリカへ、②ならフランスへ留学しよう。
そう決めました。

でも、外国なんて住んだこと無いし、、、
本当に好きなことじゃないと挫折して帰ってきちゃうかも(涙)

考えた末、やっぱり食べることのほうが楽しそうなので、②に決めました。
けれども、その先はそう甘くありませんでした(笑)

私の選んだ卒業後の希望を聞いた親は大反対。
理解してもらうまでに数ヶ月ものバトルが、、。ようやくお許しが出たと思ったら、
たった1年のみという条件付き。

さらには、行きたかったパリのル・コルドンブルー本校は、フランス語が必須と判明。
私は大学でフランス語を取っていなかったため、全くできない。
つまりパリには行けないことが確定。

ものすごくショックでしたが、
「泣いてる暇はない。どうにか道を探そう」と自分に言い聞かせ、
ロンドンに分校があることをつきとめました!
(ネットなんて存在しない時代だったので、情報を得るのにも苦労したんです)

パリじゃないけど仕方ない。。。イギリスで1年頑張ってこよう。
そう心に決め、全ての留学手続きを自力で行い、
大学の卒業式から1ヶ月後の4/23にはロンドン行きの飛行機に乗っていました。

まずは、ル・コルドン・ブルーロンドン校へ入る前に、
最低限の英語を身につけるため、日本人の少なそうなドーバー海峡に面した
ラムズゲイトの語学学校へ入学。

この小さな港町の古ぼけた学校で、当時22歳の私は運命の人である
パトリス・ポワチエ(当時25歳)と出会いました。

彼は、183cmのスラリとした、甘いマスクの穏やかなイケメン。
その時SNCF(フランス国鉄)勤務でしたが
エール・フランスへ転職試験を受けている真最中でした。
最終試験が英語のオーラルテストだから英会話力ブラシュアップのため、
たった2~3週間の短期語学留学でラムズゲイトに来ていたのです。

私とパトリスは、入学初日に同じクラスの隣の席にたまたま座った仲でした。

あの時、もしパトリスと隣にならなかったら私の人生は大きく変わっていたと
断言できるほどのキーパーソンと彼は後々なるわけです。

ここで誤解を招かないように一言。
パトリスと私は兄妹の仲です(笑)。
パリ郊外のエペルノンという村に奥さんと赤ちゃんと暮らしていて、
私をその家に招いてくれたのです。
そのことがきっかけで私とフランスの縁が徐々に深まって行きました。
(この一家のことは「エペルノン村の家族」へ)

最も大きなことは、パトリスのおかげで、
行けないと諦めていたル・コルドン・ブルーパリ本校への扉が
この後いきなりバーンと開かれたことです。